グリーンリボンキャンペーンとは…

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Interview 511/20 UPDATE

鈴木菜央

鈴木菜央さん...1976年バンコク生まれ、東京育ち。ボランティア活動や、出版社勤務などの経験を経て、「あなたの暮らしと世界を変えるグッドアイデア」をテーマにしたWebマガジン「greenz.jp」を創刊。プライベートでは「田舎暮らし」を家族と実践中。

ほしい未来をつくるためのヒントを共有するウェブマガジン「greenz.jp」の発行人である鈴木菜央さん。人生を楽しむちょっとしたコツや、社会問題をじぶんごと化するためのヒントについてお伺いしました。

鈴木さんがウェブマガジン「greenz.jp」を立ち上げた経緯を教えてください

僕は喘息持ちでして、ストレスや疲れがたまると喘息が出てしまうんです。
あるとき、「なぜ僕は喘息持ちになってしまったんだろう」と自分なりに考えてみたら、工場や車社会の発達などこれまでの人類や歴史にないものがでてきて、その結果、空気が汚染されて喘息になっているんだと学んだのです。でも車って暮らしになくてはならないものだし、経済の一部なので一概に悪だとは言い切れないんですよね。ただ、その陰でどこかにしわ寄せがきて不公平性が生まれることで、みんなが幸せになれない社会になってしまっていて。
そこに違和感を感じるようになりました。そこから、その違和感をどうにかするために、なにか自分でできることはないか探していたんです。そこで、自分が大好きな
「メディア」と掛け算をしたら「greenz.jp」が生まれました。
なぜウェブマガジンンかというと、ウェブのほうがみんなに寄り添えるし、暮らしに入り込めると思ったからです。

「greenz.jp」には身近な人からの"ほしい未来"へのヒントがたくさんあふれていますね。

いまの世の中は、会社などの肩書きではなく、個人の名前でいろんなことができる可能性が広がっていると思うんですよね。社会には自分にはどうしようもない大きなパワーが動いているのは確かですが、自分の世界の中心にいるのは自分なんです。だからこそ、自分の捉え方・やり方次第で、自分の世界は一気に面白い場所や過ごしやすい環境になったりすると思うんです。よく、僕はなにもできない。とか、私にはそんなことは...。と言う人がいるけれど、それは社会が思わせているだけで、捉え方によってはもっと世の中って面白くなるよ!と。
そして、みんながこうなったらいいのに!と思うことをそのまま素直にみんなが行動していったら、世界中の様々な問題が解決するんじゃないかなって思います。そのことを伝えたくて、「greenz.jp」をやっていますね。

「greenz.jp」の読者層は、20代の若者が多いそうですが、彼らのパワーに ついて何か感じることはありますか?

20代の人は、対話力がありますよね。メディアを使い分ける柔軟性もありますし、感覚も面白い。先ほども少し触れましたが、いまの社会は大きな組織に入らなければいけないという枠組みが無くなってきています。だから今後は、個人の力がものすごく強くなってくると思うんです。でもその一方で、どうしていいのかわからないという若者もいて。本当に分かりやすいほど二極化しているのを感じますね。若くて面白い作り手がどんどん増えていく一方で、後者のように右往左往している若い人たちも多いのではないでしょうか。

グリーンリボンキャンペーンについてですが、鈴木さんはこの活動自体はご存知でしたか?

グリーンリボンについて詳しくは知らなかったのですが、免許更新がきっかけで臓器提供の意思表示については知っていました。僕は、免許証にYESの意思表示をしています。でも項目に丸をつけるときは、すごく考えましたね。例えば、僕になにかあったときに、残された家族も臓器提供についてYESと思うかどうかはまた別の問題になるわけで...。なので、妻と話して「まあいいんじゃない。」という結果になりました。ただ、僕の中では内臓系はYESなんですけど、目は嫌だなと。子どもたちが僕の死に顔を見た時に、「パパじゃない」と思われるかもしれないので、眼球以外はYESにしています。

グリーンリボンキャンペーンでは、臓器提供の意思表示についてまずは少しでも考えてもらうことをテーマに活動しているのですが、こういったテーマを「じぶんごと化」してもらうためには、どういったことが重要だとお考えですか?

じぶんごと化するというよりも、じぶんごと化しちゃう、だと思うんですよね。
なにか社会に対して活動を始めると、たくさんの学びがあります。そして、それに関わっている人は、自分なりの強い意志や信念のもとに関わっているというそれぞれの
『ストーリー』があると思うんです。どうしてそれを始めたのかとか、興味を持ったのかとか。そういった個々の『ストーリー』を共有する場や、家族や友だちとの会話などのなかで、その活動についてのあたたかい会話をどれだけ増やすかが大切なんだと思います。
そういった一人ひとりが主語になった活動のほうが、広がりはもっと出てくるんじゃないでしょうか。顔が見える相手から聞いた話っていうのは、自分のことのように思えることがよくあったりしますからね。

では、最後にメッセージをお願いします。

すべての命をたどっていくと、最後はミジンコやアミノ酸にまで行き着くくらいにつながっているわけです。そう考えると、他の生き物も仲間なんですよね。もちろん人間同士もつながりの中で生きている。つながりのない中では誰も生きていけないと思うんです。そのつながりの中で、じつは臓器を提供するというのはとてもすごいことなんじゃないかなと。死んだ人の臓器を他の人に活かすなんて、人間もなかなかやりますよね。人間はいっぱい悪いこともするけれども、これは幸せになるためのポジティブな進化なんじゃないかと思うんです。そしてそれは結局、最後は巡り巡って自分に返ってくるんだと僕は思うんですよね。
だから、もっとみんながグリーンリボンキャンペーンのことを知るために、家族や友だちと「俺はどうしようかな」とか、恋人と「俺が死んだらどうする?」なんて話で愛を深めたりしながら、血の通った言葉や会話でぜひそれぞれの『ストーリー』について考えてみてもらえたらいいなと僕は思います。