いのちの言の葉

つなげよう、ひろげよういのちの言の葉

様々なフィールドで活躍する方々が、
いのちの大切さや
臓器移植について想いを伝えます。

いのちの言の葉 2枚目

何が起こるかわからない時代。
今、自分にできることを考えよう。

僕の「ラグビー人生」は、
これまで本当にしんどい思いをして、
いろんなことを犠牲にしてトレーニングに打ち込んだり…
まさにラグビーに人生を捧げてきました。
でも、それらの全てが報われたというか、
本当に最高の時間でもありました。
ラグビーをやってきてよかったと心から実感しています。

その理由として、ひとつはラグビーというチームスポーツが
「仲間とともに目標に向かっていた」ということ。
あとは、自分自身が人生の目標として「2019年ワールドカップ」
での活躍を公言してきたわけですが、
自分が言ったことをしっかりと有言実行できたこと。
これらが大きな充実感になっていると思います。

人生における大きな決断をするときには、
どの判断がいちばん後悔しないのか?を常に考えて選ぶようにしています。
自分の道、自分の人生なので、基本的には自分で決めます。
人を頼りにして人の判断に従って選んでしまうと、
もしもうまくいかなかったときにその人のせいにしてしまって、
自分らしく生きることができなくなると思うんです。
ですから、最終的な決断は自分でする。
自分で歩む道は、自分で選んでやってきました。

これからの医学の道での新しい目標ですが、常に謙虚に学び続けながら、
自分にしかできない道を探していきたいと思っています。
これまで文武両道を実践してきたこと。
それを強みにしながらトップアスリートとしての経験を生かして、
新しい道を探し続けていきたいと思います。

「臓器移植」と出会ったのは、高校生の頃。
当時、ラグビーのレフェリーをされていた方の息子さんが
心臓の病気で移植が必要だということになり、
そのための募金活動に協力させていただいたことがありました。

日本では臓器移植に対する理解が十分ではなく、
他国と比較して遅れている現状というものを
少しでも良い方に変えていきたいという思いがあります。
自分に貢献できることがあればいいなという気持ちはあります。
まだまだ身近な問題ではないことから
臓器移植や提供について前向きに考え、
少しでも多くの人々に知っていただくことが大切なのではないでしょうか。
理解者が増えていくことで臓器移植が身近になり、
移植の機会も増えていくことにつながると思います。

いつ、どうなるかわからない世の中だからこそ、今、何ができるかを考えておきたい。

臓器移植に関して言えば、普段から「意思表示」というものを前向きにしっかりと考えておくべきだと思います。

PROFILE

2019年ラグビーワールドカップ 元日本代表福岡堅樹ふくおか けんき

福岡県古賀市出身。
主なポジションはウィング (WTB)

5歳でラグビーを始める。中学時代は陸上部と掛け持ちで活動。高校時代は第90回全国高等学校ラグビーフットボール大会に出場し、その後筑波大学ラグビー部に入部。同大学で対抗戦初優勝に貢献。
2015年、ラグビーワールドカップ2015の日本代表に選ばれる。
2016年、パナソニック ワイルドナイツに加入し、リオデジャネイロオリンピックの7人制日本代表に選ばれた。
2019年8月、ラグビーワールドカップ2019の日本代表に選出された。
2019年ワールドカップを最後に15人制日本代表を引退。
以降のプランとして、2020年東京オリンピックで7人制ラグビー出場を果たした後に現役選手を引退し、医師を目指すことを公言していたが、2021年に延期されたことで、五輪出場を断念した。
選手として最後のシーズンの2021年はジャパンラグビートップリーグ2021に出場。
トップリーグの年間表彰式で初の最優秀選手(MVP)に選ばれた。また、ベストフィフティーンにも選出された。
2021年医学部に入学。

移植医療ってどんなもの?

なるほど!臓器移植のマメ知識 VOL.2

なるほど!臓器移植のマメ知識

臓器移植をするとどうなるの?
個人差がありますが、移植後は免疫抑制剤などを服用し、
拒絶反応や感染症に注意すれば、
多くの方は健康な人とほぼ変わらない生活を送ることができます。
中には、再びオリンピックに出場し、メダルをとり、
活躍している人もいます。
移植の多い国と比べても、日本の臓器移植の医療技術と移植後のケアは
高水準となっており、生存率も高くなっています。